空と土プロジェクトとは 事業への展開

農と食

耕作放棄地・荒廃森林の再生への取り組み開始

過疎化や高齢化により農業・林業の担い手が減少したことで生じた耕作放棄地や荒れた森林。開墾・間伐体験を通じ、地域の人々との交流・ワークショップを重ねることで農山村が抱える課題の共有と具体的な取り組みがスタート。

空土ファーム 棚田の写真
2008年撮影

棚田や畑の再生と「空土ファーム」としての活用

2008年7月からの開墾等により、水田(3,200m²)、畑(400m²)を再生(2018年3月末時点)。 棚田(写真)では、うるち米・もち米・酒米「ひとごごち」、畑ではとうもろこし等を育てています。(日常の管理は「えがおつなげて」にて実施)

森林資源の活用

間伐ツアーの様子

間伐ツアー

2008年10月、三菱地所グループ社員を対象に間伐ツアーを実施し、間伐体験と国産材の活用を考えるワークショップを開催。林業が抱える課題を共有するとともに、森林資源の活用に向けた取り組みについて検討スタート。

山梨県産カラマツ

山梨県への働きかけにより新たな山梨県産材認証制度創設

2010年9月、県外で加工された製品についても山梨県産材の呼称を使うことのできる新認証制度を提案し、制度創設。これにより、山梨県産カラマツを使った製品開発が可能になり、開発された製品も「山梨県産材」として販売されることで、山梨県産木材のブランド力アップにつながっています。

国土交通省が実施する長期優良住宅先導事

国土交通省が実施する長期優良住宅先導事業

2010年度第1回に同社が応募した「サスティナブル2x4住宅国産材化促進プロジェクト」が採択。2010年10月、対象物件のお客様向けに森林体験ツアーを実施。その後、三菱地所ホームの注文住宅検討顧客に、空土体験ツアーを4回実施。

山梨県産材利用拡大の推進に関する協定締結の様子

山梨県産材利用拡大の推進に関する協定締結

2011年8月、山梨県、三菱地所、三菱地所ホーム、「えがおつなげて」は、県内の林業の持続的かつ健全な発展のため、緊密な連携と協働による普及・啓発活動を促進し、川上(生産)から川下(供給・販売)まで連携して、山梨県産材のブランド力を高め価値を発信することで、利用拡大を図る連携協定を締結。

三菱地所ホーム注文住宅のサンプル

山梨県産カラマツ間伐材・小径木によるFSC認証材LVL他を標準採用

2011年8月より、三菱地所ホームの2×4住宅の構造用部材として、山梨県産カラマツ間伐材・小径木によるFSC認証材LVLと山梨県産認証材I型ジョイストを標準採用。さらに2012年12月より、山梨県産材によるFSC認証材構造用合板も標準採用。

※FSC-N002014 http://www.fsc.org
FSC®(Forest Stewardship Council®)、森林管理協議会ロゴマークは、その製品に使われている木材あるいは木質繊維等が環境・社会・経済の観点から適切に管理された森林より生産されている事を意味します。その森林はFSCにより規定された原則と基準に基づいて、独立した第三者機関により審査を受け評価されています。

連携と広がり

三菱地所レジデンスのお客様と

「三菱地所のレジデンスクラブ」を対象としたツアーを開始

2012年度から2017年度まで計25回のツアーを実施。
また、2017年度には2回のセミナーを開催。

※三菱地所グループにて分譲・管理するマンション・戸建の契約者等を対象とする会員組織

三菱地所のレジデンスクラブロゴ
2018年6月にレジデンスクラブは
リニューアルしました。

えがおファームのやさいBOX

三菱地所のレジデンスクラブのオリジナル商品として、「えがおやさいBOX」のネット販売を開始。2013年に80セット、2014年は95セットが完売。

「晴海タワーズ クロノレジデンス」(883戸、2014年3月下旬竣工)のコミュニティづくり

2012年11月晴海タワーズの企画・販売・管理担当者約20名にて、開墾体験後、マンション販売と都市農村交流事業の提携についてワークショップを実施し、「メックファニチャー(間伐材の家具づくり)提案」や「マンション内マルシェ提案」等を発表。2014年度は住民同士のコミュニティ形成の一環として、収穫体験等を5回実施。また、マンション内マルシェ(毎月開催)に、えがおつなげても参加。

晴海タワーズ クロノレジデンス

「ザ・パークハウス西新宿タワー60」

コンセプトは「未来に繋がる森のタワー」
東京おもちゃ美術館、more trees、WISE・WISEと連携して、マンション共有部に国産木材を活用した多世代交流スペースを計画。また、空と土プロジェクトと連携したエリアコミュニティプログラム「西新宿CLASS in the forest」を展開中。この取り組みは2015年度グッドデザイン賞を受賞した。

他企業との連携

「えがおつなげて企業ファーム連絡会」発足。
2014年1月に、「NPO法人えがおつなげて」と協働し、耕作放棄地の開墾・耕作・森林間伐・農林生産物の利活用等を推進し、事業を通じて都市と農山村の抱える社会課題の解決を目的に連携し、コミュニティへの参画・発展に取り組む企業で設立された「えがおつなげて企業ファーム協議会」を、2016年に改名して発足。
企業間交流を通じて、共同での商品開発や社内研修の開始等、新たな取り組みがスタートしています。

森林資源の利活用について

国土面積の約7割が森林である日本は、有数の森林大国です。しかしながら、国産材は安定供給と安定価格が可能な輸入材に太刀打ちができず、木材の国内自給率は平成23年から6年連続で上昇しているものの、わずか34.8%(平成28年林野庁発表)国内木材需要の激減、過疎化・高齢化による林業従事者の減少などもあり、森林整備が疎かになり、国内の森林は荒廃しています。
しかし、近年は地球温暖化防止やエネルギー問題などの観点から森林資源が注目されることになりました。木質バイオマスエネルギーや、エコロジー素材として間伐材の利用、森林浴などの癒し効果、生態系の保護など森林が持つ価値が見直されています。建築物への木材の需要も、従来の住宅用だけでなく、公共建築物にも広がってきています。さらに、2010年以降に政策として導入された「緑の雇用」(明日の森林の担い手を育てる事業)や映画・書籍等を通じて、若者に国内林業を紹介したことで、林業就業者の若返りも見られてきています。
森林資源の利活用では、森の恵みを活用する試みも始まっていますが、特に間伐材の活用は、良材を得るためだけではなく、林内に光が入ることによる下層植生の生育、表土の流出の防止と共に、国産材の利用促進にも繋がります。国産材利用が高まれば、林業経営が成り立ち、森林整備が可能になり、森林や地域の経済も回復します。国産材利用促進にむけて、消費者側と生産者側が手を組み、互いのニーズや技術、知恵を出し合いながら需要の発掘・拡大への働きかけ流通ルートの改善、製材・乾燥技術の向上など、新たな事業モデルをつくっていくことが期待されています。