- 2016年12月のアーカイブ

長野県をヘルスツーリズムの聖地に

近年「ツーリズム」への関心が高まっていますが、色々な種類がありますね。
「エコツーリズム」「グリーンツーリズム」「ヘルスツーリズム」など。
それぞれの意味を調べてみると・・・

エコツーリズムは、1980年代の後半に登場しました。それまでのマスツーリズムが自然環境を悪化させることがあることから「自然や人文環境を損なわない範囲で、自然観察や先住民の生活や歴史を学ぶ、新しいスタイルの観光形態」と定義されました。20014年に環境省が「エコツーリズム推進会議」を呼びかけ、以後、環境省が主導してきました。(出典:EICネット)

グリーンツーリズムは、「緑豊かな農山漁村地域において、その自然、文化、人々との交流を楽しむ、滞在型の余暇活動の総称。都市住民の自然・ふるさと志向とこれに対応して豊かなむらづくりを進めようとする農山漁村の動き、特に、都市と農山漁村の交流を求める動きを背景として、農林水産省が主導。」しています。(出典:EICネット)都市と農山漁村の交流に重きが置かれていますね。

そして、ヘルスツーリズムは、「医学的な根拠に基づく健康回復や維持、増進につながる観光のことである。温泉療法や森林療法、海洋療法(タラソテラピー)のほか、主に医療行為を受けるための手段として行われるメディカルツーリズムなども広義の意味でヘルスツーリズムに含まれる。 近年、官公庁・旅行会社・地方自治体などが連帯して、ヘルスツーリズムに結びつけた観光資源開発が全国各地で行なわれている。」(出典:Wikipedia)とあります。


長寿日本一の長野県

2016年12月7日(水)、「健康長寿・長野県と池田町のヘルスツーリズムの未来を考える集い」が長野県池田町で開催されました。平日の午前にも関わらず200人を超える町民の方が集まり、関心の高さがうかがわれました。前半では長野県知事の阿部守一さん、ナグモクリニック総院長南雲吉則さんが講演されました。

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南雲先生は、がん専門医として30年にわたり尽力されてきました。「がんは早期発見・最新治療で克服できる」と言われてきたが、この30年で患者数は倍増しました。がんが増えた最大の原因は"食生活"であることに思い至り、食生活を見直すことで、次の30年にがん死亡率を半減させようと、近年は「がんから命を救う食事と生活術」を提唱。「命の食事プロジェクト」を発足しました。

長野県は長寿日本一です。阿部知事から長寿の理由として、野菜の摂取量が日本一であるとか、「ACEプロジェクト」など長野県が進めてきた長寿・健康政策について紹介されました。「ACEプロジェクト」の「ACEは脳卒中等の生活習慣病予防に効果のあるAction(体を動かす)、Check(健診を受ける)、Eat(健康に食べる)を表し、世界で一番(ACE)の健康長寿を目指す想いを込めたもので」県民運動を展開しています。


県内に11の森林セラピー基地

また、「森林セラピー基地」が県内に11あり、国内で最も多く、さらに「日帰り温泉」数も日本一です。今後は豊かな自然と健康的な暮らしをヘルスツーリズムに生かし、県内の観光や関連産業の活性化に繋げていくそうです。

森林セラピーとは、科学的に検証された森林浴の癒やし効果を、心身の健康や病気予防に生かす取り組みです。「森林セラピー基地」は、リラックス効果が森林医学の面から専門家に実証され、さらに、 関連施設などの自然・社会条件が一定の水準で整備されている地域で、NPO法人森林セラピーソサエティが認定。全国で62カ所となっています。


メンタルヘルス対策に森林の豊かな自然が有効

後半のパネルディスカッションでは長野県森林セラピーアドバイザーの浅原武志さんのコーディネートのもと、「花とハーブの町」を掲げる池田町の甕(もたい)聖章(きよあき)町長、地元でジャーマンカモミールの有機栽培、入浴剤等の製造、宿泊施設の運営を行う「カミツレの里」の北條(きたじょう)裕子社長、日本通運健康保険組合の安藤伸樹理事長らが登壇しました。
私も最後に「都市の人たちに池田町に来ていただき、花とハーブで元気になっていただきましょう」とコメント。

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「カミツレの里」の宿泊施設である「八寿恵荘(やすえそう)」は、森の中のジャーマンカモミール畑に隣接しています。オーガニックな食材を使った身体に優しいお料理、ジャーマンカモミールの入浴剤がたっぷり入った大浴場、オーガニックコットンのお布団、地元産材の内装、地元材チップを活用したボイラーでの床暖房、薪ストーブなどがあり、アジア初のBIO HOTEL認証を取得しています。2016年グッドデザイン賞も受賞されました。
(※関連記事 http://soratsuchi.com/owada/2013/09/post-27.html )


「カミツレの里」は30年にわたりジャーマンカモミールの有機栽培を行い、入浴剤などの製造を行い、池田町が掲げる「花とハーブの里・池田」の中核を担ってきました。そして昨年度から池田町は地方創生として「ハーバルヘルスツーリズム」に取り組んでいます。

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八寿恵荘のツリーハウス。今年も雪景色に


2015年12月に、労働安全衛生法の一部を改正する法律(ストレスチェック義務化)が施行され、都市部企業では農山村が有する"癒し効果"にニーズが高まっています。池田町の「カミツレの里」もアレルギーやストレスに悩む都市部の個人だけでなく、企業の利用も始まりました。このような背景からも「森林セラピー」やハーバルヘルスツーリズムなどヘルスツーリズムは注目されているのです。


癒しの森のまちづくり・長野県信濃町

コーディネーターを務めた浅原さんは、今年3月31日まで長野県信濃町の職員でした。役場在職中は「森林セラピー」(2006年に国内で最初に認定された基地の一つ)を核に、都市部の企業と協定を結び、保養やメンタルヘルス、研修、CSR活動などを受け入れてきました。特に重要なのは宿や、森林を活かしたヘルスケアのガイドです。もともと信濃町はスキーリゾートのメッカでしたのでペンションが沢山あり、そのオーナーや、移住されてきた方たちが各種自然療法について学び"森林メディカルトレーナー"(町認定)としてガイドを務めるようになりました。今では協定企業は47社、年間のべ5,000人を超える従業員やその家族が信濃町を訪問し、心身の健康に欠かせない存在になっています。

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水辺は水療法にも

また、信濃町には作家で冒険家であるCWニコルさんの「アファンの森」もあります。30年かけて豊かな森を再生されました。森林セラピーをはじめ、"癒しの森"をコンセプトにまちづくりに取り組んでいるのが信濃町の地域創生の特徴です。
森や自然の力を活かしたメンタルヘルスケアやヘルスツーリズム、今後も活用が広がっていくことでしょう。

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アファンの森でガイドをする高力(こうりき)さん

都市と農山村をつなぐ 空と土プロジェクト
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プロフィール

大和田順子さん

LOHASビジネスプロデューサー/
LBA(ロハスビジネスアライアンス)共同代表/
NPO環境立国 理事

東急百貨店、東急総合研究所、ザ・ボディショップ、イースクエア等を経て2006年4月に独立。
低炭素で持続可能な社会の実現に向け、人・地域・地球の健康を指向する新しい価値観LOHAS(ロハス)の考えに基づき、講演・研修や執筆、コンサルティング、NPO活動を通じて、ライフスタイル・ビジネス・社会の変革に情熱を注いでいます。

LOHAS & Sustainable Style

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