熊本地震・一歩先、二歩先へ

熊本県・大分県を中心とした大地震により被災された地域の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
4月25日に宮崎県五ヶ瀬町の五ヶ瀬ドームに設置された支援物資の集配拠点、ならびに南阿蘇村の知人農家を訪問してきました。

五ヶ瀬ドームで支援物資の集配を行っているのは「RQ九州」。一般社団法人RQ災害教育センターが地元のNPO法人五ヶ瀬自然学校等と協力して本震から3日目の19日に拠点を立ち上げました。支援物資置き場は五ヶ瀬町の協力で五ヶ瀬ドームを確保できたそうです。
自治体が運営している避難所ではなく、自主的に避難しているところや、子どもが泣くので遠慮して車で寝泊まりしている家族、家は大丈夫だけれども夜になると不安なので車で寝泊まりしている高齢者などをピンポイント支援しています。

必要な物資は日々変わります。私は22日に現地に問い合わせ、「200mlパック入りの野菜ジュース」のニーズが高いと聞き、近所のスーパー何軒かに電話をし、12本入り10セットを確保し、持参しました。

ちなみに一般社団法人RQ災害教育センターは、東日本大震災の被災地支援のために結成されたボランティア組織「RQ市民災害救援センター」から発展して誕生した組織で、2011年12月7日に設立されました。大規模な災害現場で、さまざまな救援活動をする地元の人たちを支援しています。東日本大震災後は、RQ広島、RQ常総なども設置されています。


日々刻々、課題が変わる

RQ九州の副代表でNPO法人五ヶ瀬自然学校の理事長を務める杉田英治(すぎた・えいじ)さんにお話をうかがいました。

活動拠点の壁にこんなポスターが掲出されていました。

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<心がまえ>
1. 膨大な好意という恐怖との戦いである! なるべくその好意を無駄にしたくない!
2. たった今、どこかで困っている人がいるはずだ! 今、何をすべきかを深く考え行動する!
3. それをするとどうなるのか? どんな物が必要なのか? 常に被災している現場を想像し、半歩、一歩、二歩先をリアルに描く!
4. 人間とは、「感覚→意志→行動→感覚・・・」を繰り返す動物である(養老 孟司)感覚を大事にしよう!
5. 行政には行政の、我々には我々の役割と仕組みがある。情報共有と協働で効果を最大に!
6. 我々がやっていることは義務である! パフォーマンスはしない!
7. ネットの情報は怪しむべし! 自分の目で見たことを、信頼できる人が見たことだけを信じろ!


「こんな物資が必要です!」とSNSに情報が流れるととたんにそればかりが沢山届いてしまう。しかも届く頃にはもう足りてしまっている。非常時にパフォーマンスをして目立ちたい人もいるが、そういう姿勢を戒める。ネットの情報だけをうのみにするのではなく、裏を取り、信頼できる人からの情報に基づき行動する。そして、一歩先、二歩先を読みながら、深く考え行動する。
こうしたことを信条、心構えとして書き出し、関係者で共有しているのです。

すでに支援物資はほぼ足りてきている現在、復興支援ボランティアや、募金活動に軸足を移そうとしています。こうした支援拠点を運営する費用や、地域の復興を推進する活動の資金が必要になってきます。ふるさと納税の使途としても有効だと思います。

また、地元には五ヶ瀬中等教育学校という県立の中高一貫校があり、ボランティアにも熱心な学校で、すでに学生が五ヶ瀬ドームに支援物資の仕分け等のボランティアに来ているそうです。
「ボランティアの体験を通じ、震災後の復旧・復興過程で時々刻々と変化する様々な課題を知り、その解決策を考え実践することは、貴重な学びの機会となります。」と杉田さん。


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災害に強い農家、コミュニティづくりを

続いて訪問したのは南阿蘇村の大津愛梨(おおつ・えり)さん、阿蘇山のふもとで5ヘクタールの稲作をされている専業農家で、NPO法人田舎のヒロインズの代表理事でもあります。阿蘇の世界農業遺産の認定に際しても中心的に動かれた方です。幸い大津さんのご自宅やその周辺は家屋への被害も無く、遅れはしたものの、田植えの準備などが始まっているところでした。大津さんは0歳児を始め4人のお子さんの子育て真っ最中ということで、二次災害の恐れもある中、子連れで家を空けることはできないことから、少し先の復興活動に備え募金活動を開始されました。

「まずは家屋を失った方へソーラーランタンやソーラーバッテリーを貸し出したり配布したりして、家屋の片付けやいざという時の灯りをお届けしたい。そして、「農家が食べ物もエネルギーもつくる社会づくり」という活動の一部として、災害に強い農家およびコミュニティづくりの活動に取り組みたいのです。農村の未来を築く活動こそが、中長期的にみた熊本・阿蘇の復興に繋がるという想いからです」と。


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募金や寄附の方法は様々ありますが、最近人気の「ふるさと納税」制度を活用して寄附することも可能です。私は南阿蘇村にお送りさせていただきました。「ふるさと納税」は特産品がお得に手に入る上に税金が控除される仕組みとして利用者が増えていますが、今回は「返礼品不要」と明記し、いつも利用している自治体で被災されたところがあれば、寄附をされてはいかがでしょうか。

少し落ち着いたら、私は熊本、宮崎、そして大分の「世界農業遺産」地域の女性たちと復興活動について意見交換を始めてみたいと思っています。

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プロフィール

大和田順子さん

LOHASビジネスプロデューサー/
LBA(ロハスビジネスアライアンス)共同代表/
NPO環境立国 理事

東急百貨店、東急総合研究所、ザ・ボディショップ、イースクエア等を経て2006年4月に独立。
低炭素で持続可能な社会の実現に向け、人・地域・地球の健康を指向する新しい価値観LOHAS(ロハス)の考えに基づき、講演・研修や執筆、コンサルティング、NPO活動を通じて、ライフスタイル・ビジネス・社会の変革に情熱を注いでいます。

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