温泉熱を利用したエネツーリズム(宮城県大崎市鳴子温泉)

自然エネルギー、あるいは再生エネルギーのバブルははじけた感がありますが、小水力やバイオマスなどはまだまだ地域では注目されています。また、バイオマスと温泉熱を組み合わせたものなど、小さな規模でも色々なエネルギー源や熱源が里山には存在しています。もともとお風呂やストーブは薪を燃やして熱源としていたもの、それを何も原子力発電の電源で沸かす必要は無いと思います。

さて、宮城県の鳴子温泉には一風変わったカフェがあります。「エネカフェメタン」といいます。2014年7月にオープンしたカフェですが、お金ではなく生ごみを持参するとお茶をいただくことができます。お茶といっても干したエノキダケの出汁だったりします。東京の日本橋にも出汁を有料で提供しているカフェがあるので、ある種似ているとも言えますが。

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このカフェはバイオマスエネルギーを知る・体験する・広める場所として、東北大学大学院農学研究科准教授 多田千佳さんが手がけたもの。生ごみが温泉の排湯で温められ発酵し、ガス(メタン60%、二酸化炭素40%)と液体肥料に変わるというしくみがとてもよくわかります。
「一日12kgの生ゴミが地域にお住いの方や観光客の方から集まります。それにより約1300Lのバイオガスが生産されるんですよ」と多田先生が解説してくださいました。

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カウンターで説明する多田先生

大崎市在住の女性の皆さんを対象とした地域づくり研修で私も一緒に訪問したのですが、皆さんご自宅から生ごみを持参されました。カフェの外にある生ごみの投入口から生ごみを投入し、その後どのようなプロセスでガスと液体肥料に変わっていくのか先生から教えていただきました。施設横の小さな畑ではプチトマトが元気に育っています。液肥の効果を測定しているそうです。なお、訪問の記念に液体肥料をいただきました。女性の皆さんは喜んでいらっしゃいました。

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カフェのカウンター席に座り、バイオガスの炎で沸かしたお湯を乾燥エノキダケに注いだ出汁のような飲み物をいただきながら多田先生からお話をうかがいました。
「このカフェは、災害時にも、小さなコミュニティの避難所として、自分たちでエネルギーを作りながら、そこに栽培していた野菜を調理し、温かいスープを分け合って生き延びる場にも活用できると考えているんですよ。」

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この「エネカフェメタン」があるのは「早稲田の桟敷湯」の向かいの駐車場横。そこには足湯、温泉たまご工房、温泉熱乾燥室などがあります。あたかも"温泉エネパーク"です。
「温泉たまご工房」というのは温泉たまごを作る設備で、近所で卵を買ってきて足湯に入っているうちに温泉たまごができるというものです。そして乾燥施設は温泉熱で野菜や果物を乾燥させる施設です。すでに鳴子まちづくり株式会社ではオリジナル商品として「温泉ジンジャー」を開発・販売しています。高知産のショウガをスライスし、ここで乾燥させ、細かくしたものを瓶詰めし、温泉神社に掛けた商品名が付けられ土産物として人気だそう。エネカフェメタンで使われているエノキダケもこの施設で乾燥させています。この温泉熱乾燥室、私は大いに注目しています。

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温泉たまご工房

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温泉ジンジャー


鳴子温泉のちょっと変わった楽しみ方のご紹介でした。コケシブームで"コケ女"が鳴子温泉には沢山来るそうですが、"エネ女"の出没も増えそうですね!

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プロフィール

大和田順子さん

LOHASビジネスプロデューサー/
LBA(ロハスビジネスアライアンス)共同代表/
NPO環境立国 理事

東急百貨店、東急総合研究所、ザ・ボディショップ、イースクエア等を経て2006年4月に独立。
低炭素で持続可能な社会の実現に向け、人・地域・地球の健康を指向する新しい価値観LOHAS(ロハス)の考えに基づき、講演・研修や執筆、コンサルティング、NPO活動を通じて、ライフスタイル・ビジネス・社会の変革に情熱を注いでいます。

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