- 2013年5月のアーカイブ

JKSKボラバス。「いわきコミュニティ電力」竣工式 & 2年目を迎えたオーガニックコットン栽培 (5/25)

震災から3年目、今年も田植えのできない福島の農業

各地で田植えが行われ、水を湛えた水田が美しい季節となりましたね。
しかし、この美しい日本の農村の景色が失われてしまった地域があります。
それは福島県南相馬や双葉八町村の農村です。
震災から3年目を迎えた今年も田植えは行われていません。
つくづく、日本の農村の景色は水田や耕された畑、手の入った森林がつくっているのだと思います。

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震災から3年目を迎え、被災各地のボランティアの人数は減っています。そこで、私が理事を務める認定NPO法人JKSKでは、被災地と首都圏の女性の交流による復興支援「結結プロジェクト」が定期的に開催する「車座交流会」で誕生した、「いわきおてんとSUNプロジェクト」のうち、オーガニックコットン栽培を手伝うボランティアバスを今年は出すことにしました。

風評被害で未だに売れ行き不振が続き、耕作放棄地が増加していることに対し、なんとか市民の力で農地を守ろうと、昨年市内15か所、1.5haで始まったオーガニックコットン栽培、今年は広野町や南相馬まで広がり、3haほどに倍増しました。

※いわきおてんとSUN http://www.iwaki-otentosun.jp/


◆ 女性のエンパワーメントがテーマのNPO

ここで、認定NPO法人JKSKの紹介をしておきましょう。
その正式名称は「女子教育奨励会」と言います。明治時代に福沢諭吉氏や渋沢栄一氏らが、女性の社会参加と国際化の為に、官民一体となって「女子教育奨励会」を設立されました。その後、渋沢栄一さんのひ孫にあたる渋沢雅英さんと、元国連公使で日本のボディショップ初代社長の木全ミツさんが11年前に出会い、「これからの日本社会を元気にするのは女性。女性のエンパワーメントが重要」という問題意識から21世紀版の「女子教育奨励会」をつくろうと、2002年にNPO法人として設立しました。

「JKSK=女性の活力を、社会の活力に」と覚えて下さいね。とはいえ女性だけで、というつもりはありません。女性50%、男性50%でご一緒に社会課題の解決に取り組んでいきたいと考えています。

※ JKSK http://jksk.jp/j/index.html

ですので、半年ごとに開催している「車座」にも3割程度とやや少ないですが男性も参加されていますし、昨日開催された第1回ボランティアバスの参加者の男女比は半々でした。


 「いわきコミュニティ電力」太陽光発電をお披露目

第一回JKSKボラバスは太陽光発電施設の落成式に参加し、午後は広野町の綿畑で苗の定植をするという行程です。

一行は朝7:00時に新宿を出発し、車中での自己紹介や、早稲田大学の岡田久典先生による再生可能エネルギーについてのミニレクチャーなど行いながら、10:30にいわき市小川という場所に到着しました。

小高い山の斜面に30kwの太陽光発電設備が輝いていました。地域に希望の明りを燈す「いわきコミュニティ電力」事業の第一歩です。このマイクロソーラーの設置にあたっては、市民や企業のボランティアの皆さんが、開墾・整地から太陽光パネル設置等まで実際に作業に参加してできたものです。まさに多様な方々が連携した市民参加型の太陽光発電です。通常は東北電力に売電し、非常時には周囲の住宅の電源として活用する考えです。

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落成式には個人・団体・企業ボランティアの方々、地元の関係者など約80人が参加されました。
最初の主催者挨拶に合わせて電源が入れられ、太陽光で発電した電力をマイクの電源にしました。

130526落成式(中山さん撮影).jpg

まずは「いわきおてんとSUN企業組合」吉田恵美子さんからご挨拶。
市民により地域が立ち上がっていくところを是非見ていただきたい。歩みを着実に、どんなことを生み出していけるか、一つ一つ形にしてしていきたい」

来賓のお一人目、早稲田大学の岡田久典先生は、構想段階からご指導いただいてきた、いわばコミュニティ電力の父的存在です。「各地に色々なソーラーがありますが、これは地域の人による、地域のためのもの。個人や企業など多くのボランディアが参画し、地域の活力を引き出す先進的な取り組み」と。

昨年度はこのコミュニティ電力に関連して、市民の方を対象にした再生可能エネルギー講座、太陽光発電講座などをW-BRIDGE(早稲田大学とブリヂストンの連携による研究プログラム)の研究委託事業としても行ってきました。

ボランティアを継続的に行っている企業の取締役からは「当社ではこれまでも被災各地でボランティアを続けてきました。よく働く社員を誇りに思っています。これからも支援を長く続けていきたい」と。

この事業は福島県の「平成24年度 住宅用太陽光発電高度普及促進復興対策事業(福島実証モデル事業)草の根部門」の助成を活用して実施しました。
企画調整部エネルギー課課長の佐々木秀三さんは、福島市から100kmを自転車で走って会場入り。
市民が作るという計画を聞いて、ささやかなものができるのだろうと思っていましたが、これほど立派なものができていて驚きました。市民の力は素晴らしい。また、太陽光の電源を使ったマイクでお話させていただくのも感慨が深い」と。

続いて「コミュニティ電力」の説明を担当の島村守彦さんが。
「この山の木の伐採や整地は重機を使わず、クワやスコップを使い、ボランティアの方たちと汗をかきながら行いました。お金を使って業者に依頼すればすぐにできたかもしれません。でも私たちは自分たちので手で、これを作りたいと思いました。架台の設置や、パネルも一枚一枚皆さんと一緒につくりあげていきました。ここには柵もありません。地域の小学校、中学校の子供たちに学んでいただく場所にもしたいと思っています。」

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そして、参加者によるオーガニックコットンの記念定植。

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応援団からのメッセージとして、震災後いわきに毎週ボラバスを出してきた(今年はらは隔週)絆ジャパンというボランティアグループの代表、そして私もJKSKとしてお話させていただきました。

最後に、おてんとSUNの被災地復興スタディツアーを担当している里見さん(元禄時代から続く老舗旅館「古滝屋」の旦那でもあります)から「市民による未来づくりをこれからも続けていきます」と締めの挨拶がありました。

太陽光発電の敷地にカモミールやオーガニックコットンが栽培されているところなど他にあるでしょうか?綿の記念定植を行うことで、ソーラーシェアリングや再エネと地域産業の関連のイメージを持つことができました。
五月晴れの爽やかなお天気のもと、「いわきコミュニティ発電」の落成式は手づくりの、しかし本当に心温まる、感動的なものでした。

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◆ 広野町のコットン畑

午後は、いわき市の北、広野町のコットン畑に移動。
砂浜の海岸から徒歩5分ほど、川を挟んだ左右にある畑です。広さは2か所合わせて1反畝ほど。大震災では津波の被害も受け、原発事故もありましたから2年間は何も植えられていなかった場所です。塩をかぶった場所でも綿は塩に強いので生育には問題は無いはずです。
海から近いということもあり、もし地震、津波が来ても10分以内に高台に徒歩で避難するルートも下見でしっかり確認しましたので安心です。

吉田恵美子さんをはじめ、広野町からいわき市に避難し、今も仮設住宅に住んでいるお母さんたち、また企業ボランティアの方たちもご一緒にコットンの苗の定植を行いました。指導をしてくださる松本さんは、楢葉町から避難している有機農家です。

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東京からの参加者は、私が講師をしている「立教セカンドステージ大学」の受講生の皆さんや、JKSKの会員、企業の方など25人。ボランティアや被災地訪問が初めてという方も。「何かしたい」というお気持ちがあっても、中々参加の機会を見つけあぐねている方がいらっしゃることを知りました。

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南相馬から親子で参加。6歳の僕も一生懸命手伝ってくれました。
今年は南相馬での試験栽培が開始されます。

15:30、2つの畑の定植を完了し、湯本の「古滝屋」さんに立ち寄り温泉で汗を流し、帰途につきました。


◆ JKSKボラバスで、ぜひオーガニックコットン栽培を体験ください

JKSKボラバスはどなたでもご参加いただけます。
※詳しい日程、お申し込みは以下をご覧下さい
 http://jksk.jp/j/yyp/focJKSKpr120418.pdf

第2回の6月22日は綿の苗の定植・捕食・草取りを。8月、9月も草取り。10月は収穫!綿繰(わたくり:綿と種を分ける工程)なども体験いただきます。毎回、現地の方々との交流、各所の見学なども織り交ぜたプログラムで行います。

日本の繊維自給率は限りなくゼロです。いわきおてんとSUNでは、繊維産業を再生させたいと、コットン栽培から製品化までに取り組んでいるのです。

有機栽培で綿を育てる体験を行うと共に、福島の今、いわきが直面する課題、復興地のこれからについて、現地で活動する皆さまとご一緒に汗を流しつつ、考える機会にしたいと願っています。

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プロフィール

大和田順子さん

LOHASビジネスプロデューサー/
LBA(ロハスビジネスアライアンス)共同代表/
NPO環境立国 理事

東急百貨店、東急総合研究所、ザ・ボディショップ、イースクエア等を経て2006年4月に独立。
低炭素で持続可能な社会の実現に向け、人・地域・地球の健康を指向する新しい価値観LOHAS(ロハス)の考えに基づき、講演・研修や執筆、コンサルティング、NPO活動を通じて、ライフスタイル・ビジネス・社会の変革に情熱を注いでいます。

LOHAS & Sustainable Style

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