- 2013年3月のアーカイブ

東日本大震災から3年目だからこそ始められること

◆ 半年ごとに開催してきた車座

東日本大震災から3年目を迎え、首都圏に暮らす私たちも、東北の各地に活動を支援している人や団体がいないと、その記憶や存在は影が薄くなってしまうように感じるこの頃です。

私は震災後、認定NPO法人女子教育奨励会(JKSK)の「結結プロジェクト」を通じ被災地の皆さまと頻繁に交流をしてきました。JKSKは女性のエンパワーメントを行うNPO団体です。東北の女性リーダーが能力を大いに発揮し、復興活動を共に考え、支援・協力・応援をしようと取り組んできました。参加者は必ずしも全員女性というわけではなく、共感する男性も2割位は参加されています。
今回はこの2年間を振り返ってみたいと思います。

2011年7月に宮城県亘理町で開催した「第1回車座」を皮切りに、半年に1度開催してきた車座交流会には初回は30余人、2回目以降は50~60人が参加し、各回で話し合われたアクションプランは、その後具体的なプロジェクトになって進んでいます。

【これまでの車座 開催日・開催地】
第1回 2011年7月15日~16日 宮城県亘理郡亘理町 34人参加
第2回 2011年12月2日~3日 福島県いわき市で開催。58名参加 
  ※「原発被災地で未来のエネルギーを考えるシンポジウム」を同時開催
第3回 2012年4月13~14日  宮城県石巻市で開催。53人参加
第4回 2012年10月19日~20日 宮城県南三陸町&大崎市で開催
第5回 2013年4月12~13日 宮城県気仙沼で開催予定

当初から5回でいったん車座は終了しようということになっていましたが、秋には番外編ということで南相馬でも実施したいと考えているところです。

※認定NPO法人 女子教育奨励会(JKSK) 結結プロジェクト


◆ わたりグリーンベルトプロジェクト

第1回の亘理で開かれた車座で出されたアイディアの一つは「わたりグリーンプロジェクト」として取組が進んでいます。町民の方たちがどのような防潮林をつくりたいか複数回のワークショップを通じて語り合い、そして苗を育て始めています。プロジェクトのWEBサイトによれば、これまでに苗木づくりに参加した人は543人、つくった苗木ポットは53,000個にのぼります。植樹は来年から開始されるそうですが、100年の森づくりを構想しています。
 http://www.watari-grb.org/


◆ いわきおてんとSUNプロジェクト

また、いわきでの開催を契機に地元の3つのNPOが中心となり、オーガニックコットン栽培、太陽光発電などコミュニティ電力、そして復興スタディツアーは「いわき・おてんとSUNプロジェクト」と命名され、先日は活動を継続する組織として「いわきおてんとSUN企業組合」が設立されました。
 ※プロジェクトの経緯 http://soratsuchi.com/owada/2012/09/post-25.html
 ※プロジェクトのWEBサイト http://www.iwaki-otentosun.jp/

9月30日に掲載したレポートの後日談になりますが、初年度収穫されたオーガニックコットンから作られたマスコット人形「コットンベイブ」は、約4,000個が地元や首都圏で販売されました。希望の種が多くの方の手に渡っています。その種をご家庭の庭やプランターなどで育て、秋に実ったコットンを是非いわきに送っていただきたい、そんな願いをこめています。

また、2013年2月にはドイツのニュールンベルグで開かれた世界最大のオーガニック見本市「ビオファ」出展しました。今年24回目を迎える「ビオファ」は世界86か国・地域から2396社が出展。4日間で130カ国・地域からバイヤーを中心に4万人を超える来場者がありました。今年初めてJETROによりジャパンパビリオンがつくられ、1都2府15県から36社・団体が出展しました。

いわきおてんとSUNプロジェクトでオーガニックコットン栽培を行うNPO法人ザ・ピープルからは、いわきで栽培されたオーガニックコットンから作られたマスコット人形とTシャツの参考商品が、パートナー企業である東京のオーガニックコットン製造・販売会社「アバンティ」からはオーガニックコットンの生地や製品が展示されました。また、宮城県大崎市の「一ノ蔵」からは「特別純米酒 一ノ蔵冬期湛水仕込み」が、出展され各国からのバイヤーや来場者と熱心に商談が行われました。
 
※「オルタナ」(オンライン版)に報告記事が掲載されています。 http://www.alterna.co.jp/10583 


◆ メディアのCSR活動「東北復興日記」

第3回の石巻では震災から一年経ち、現地を訪れ、沿岸部が全く変わっていなことに愕然とし、「地元の情報が継続的に報道されていない」ということを強く感じました。そこでメディアと連携して連鎖できないか、ということから「東京新聞」の協力を得て8月から「東北復興日記」というレポートの連載が始まりました。亘理、いわき、石巻、大崎、南三陸、南相馬などで、必死に復興に取り組んでいる女性たちに特派員としてホットな記事を執筆していただいています。1月からは「河北新報」にも転載されるようになりました。

メディアと言えば事件や"初""日本最大級"といった形容詞の付く出来事を大きく報道するものですが、被災地復興のような地道な取組を継続して報道していくことはメディアにとってのCSR活動であり、またさらにCSV(社会価値を創造する)につながるよう展開していきたいと思います。


◆  南相馬復興大学

「結結プロジェクト」ではありませんが、「南相馬復興大学」という復興人材を育成する研修事業にも参加しています。南相馬の状況はさらに深刻です。放射能汚染の高い地域もあり、人口もずいぶんと減りました。農地は今年も水稲の作付を行いません。田んぼにはセイダカアワダチソウがまた群生することでしょう。そこに日本の農村の豊かで美しい景色はありません。
復興大学は、昨年9月から、地元の市民および首都圏からの応援者が参加し、南相馬の農業・漁業の復興、特産品開発、野馬追をはじめとする南相馬文化の活用から再生可能エネルギーまで、市民が主体となった事業計画を企画・検討してきました。3月5日には東京で成果発表会が開催され南相馬市から20人、首都圏から約70人の参加者があり、南相馬の「いま」を知ると共に、企業や団体など南相馬を支援してくださる方々との出会いの場となりました。復興大学は後2年は続く予定です。
※南相馬復興大学 http://www.fukkoudaigaku.jp/ 


◆ 3年目を迎えて、思うこと

東北の都市部であり中心である仙台に住む人たちや企業が、もっと沿岸部の復興に関心を寄せ、活動に参加されれば良いのにと思います。東京に住む私たちは頻繁にはでかけることはできません。特に岩手は遠い。しかし仙台からであれば1~2時間で行ける距離です。東北のリーダーとして、復興支援を通じ、東北の持つ豊かな自然、郷土料理、文化、技をもっともっと深め、広めることに力を発揮してほしいと思います。

もちろん、首都圏の市民や企業も継続して復興にかかわることが求められています。3年目を迎え、支援活動の予算を半分にしたという企業や、今年で支援は終わりという声も聞こえてきます。しかし、初年度は復旧に追われ、ようやく2年目で復興活動や事業再生が一部で始まった段階です。企業の新規事業も単年度黒字化するまでに3年はかかると言われているように、少なくともあと2年は昨年同様の支援が必要だと思います。
特に沿岸部や放射能汚染地域の復興は未だまだこれからがスタートです。

都市と農山村をつなぐ 空と土プロジェクト
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プロフィール

大和田順子さん

LOHASビジネスプロデューサー/
LBA(ロハスビジネスアライアンス)共同代表/
NPO環境立国 理事

東急百貨店、東急総合研究所、ザ・ボディショップ、イースクエア等を経て2006年4月に独立。
低炭素で持続可能な社会の実現に向け、人・地域・地球の健康を指向する新しい価値観LOHAS(ロハス)の考えに基づき、講演・研修や執筆、コンサルティング、NPO活動を通じて、ライフスタイル・ビジネス・社会の変革に情熱を注いでいます。

LOHAS & Sustainable Style

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