- 2012年1月のアーカイブ

復興元年。いわきで始めたい、未来のエネルギー

震災から10か月、震災の影響で避難している人は全国47都道府県、1,200以上の市区町村に334,786人(12/15現在、東日本大震災復興対策本部事務局調べ)職を失った人は12万人とも言われています。
2012年は「復興元年」と言われていますが、地元自治体はもちろん、企業や団体には色々なことができると思います。では、首都圏に住む、個人には何ができるのでしょうか。寄附、ボランティア、風評被害を受けている農産物を購入する、被災地に行って宿泊や食事を現地でする・・・ 特に首都圏は東北に心理的にも物理的にも距離が近いので、息の長いサポートを続けていきたいものです。

私も震災以降毎月のように、ここ数カ月は毎週のように東北に通っています。行先はいろいろです。宮城県気仙沼市、大崎市、南三陸町、石巻市、亘理町、岩沼市、塩釜市、そして福島県いわき市・・・
被災地の様子を拝見し、被災された方からお話をうかがい、ボランティア活動に参加するなどしてきました。7月には認定NPO法人女子教育奨励会(JKSK)が主催する「結結(ゆいゆい)プロジェクト 東北と首都圏の女性交流会 第1回車座 in亘理町」に実行委員の一人として参加しました。

「結結プロジェクト」は、JKSKが東日本大震災を機に、東北で復興活動に取り組む女性たちの課題や取り組みに関し、首都圏の女性たちが共に考え、支援・協力・応援をしていくために立ち上げたものです。東北で活動する女性と、首都圏で社会の課題を解決することを仕事としている女性たちとの車座(交流会)を定期的に開催していきます。回を重ね、参加者を増やすことによって、新しい価値観で新しいコミュニティを創造する女性ネットワークを100人以上に拡げていこうという考えです。もちろん、女性だけではありません。志を同じくする男性にも参加いただいています。

亘理町で開かれた1回目の車座交流会は、ボランディアセンターや津波被害の現場訪問の後、蔵王のホテルに場所を移し活動報告会、そして翌日午前中3時間をかけて、東北の女性たちが抱える課題の解決策を皆で話し合うワークショップを行いました。参加者は東北・首都圏合わせて42人、男性も5人ほど。

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その場で出されたアイディアのいくつか、例えば福島県いわき市の遊休農地に綿を植えようというプロジェクトや宮城県内で被災した環境関連の中小企業実態調査などが始まりました。また、「次の車座の開催をぜひいわきで!」という福島県いわき市からの参加者の要望を受け、12/2~3日、第2回車座交流会がいわき市で開催されました。今回は見学やワークショップに加え「未来のエネルギーを考えるシンポジウム」も開催しました。


移住先としても人気だったいわき
福島県いわき市は人口約33万人。東北地方で最大の工業都市です。かつては常磐炭坑で栄え、閉山後は工場を誘致すると共に、フラガールやスパハワイアンズ、湯本温泉、水族館など多彩な観光資源があり、観光客数は県内第1位の年間約1,102万人でした。また、東北地方では年間日照時間が最も長い地域でもあります。
震災前のいわきは、首都圏から高速道路で2時間半と比較的近く、海があり温暖な気候などから人気の移住先でした。それが、震災により津波、地震、原発事故の甚大な被害を受け、海では海水浴も漁もできなくなってしまいました。農地は耕作されない場所が増え、農産物は放射線が検出されずとも売れません。また、湯本温泉や海水浴場などもありますが、観光客の姿もほとんどありません。

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原発から30kmに近い久之浜地区。解体される家屋に咲く花


今回の車座交流会の参加者は60人ほど。地域の課題解決を検討するワークショップは8つのテーマで話し合いました。いわきを再生可能エネルギーの拠点にしよう、畑に綿や菜種を植えよう、若い人考える復興計画をつくろうなど、様々なアイディアが出されました。

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実際、いわきは市内で使用されている電力使用量の約3倍の再生可能エネルギーのポテンシャルを有する町です。長い日照時間を活かした太陽光、風力、温泉熱、小水力など多くの可能性があります。

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そもそも福島県は再生可能エネルギーのポテンシャルが47都道府県中6位でしたが、これまで取組まれてきませんでした。しかし、すでに復興ビジョンにおいて"脱原発"を宣言しています。震災後、県内で最も人口が多くなったいわき市が率先して再生可能エネルギーの活用に着手することの意義は大きいと思います。市内の企業だけでなく、市民にとっても自分のこととして未来のエネルギーを考え、実践する最適地と言えるのではないでしょうか。

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各地から再生可能エネルギーの専門家・実践者が集まったシンポジウム

2012年、これからが復興活動の本番です。特に原発事故の被害を受けた地域の震災復興にはこれから長い年月がかかるでしょう。いわきで特産だった「メヒカリ」という魚を食べることができる日も、きっとまた来るにちがいありません。私はいわきで出会った市民、NPO、大学関係の皆様と一緒に、再生可能エネルギーを中心とした地域コミュニティづくりに今年は取組みたいと考えています。

※認定NPO法人JKSK http://jksk.jp/j/index.html

都市と農山村をつなぐ 空と土プロジェクト
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プロフィール

大和田順子さん

LOHASビジネスプロデューサー/
LBA(ロハスビジネスアライアンス)共同代表/
NPO環境立国 理事

東急百貨店、東急総合研究所、ザ・ボディショップ、イースクエア等を経て2006年4月に独立。
低炭素で持続可能な社会の実現に向け、人・地域・地球の健康を指向する新しい価値観LOHAS(ロハス)の考えに基づき、講演・研修や執筆、コンサルティング、NPO活動を通じて、ライフスタイル・ビジネス・社会の変革に情熱を注いでいます。

LOHAS & Sustainable Style

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