- 2011年5月のアーカイブ

森の力を被災者支援&復興に活かす。オークヴィレッジの提案

5月10~15日、東京青山にあるスパイラルホールで「緑の国へ ~木と語り、自然に学び、そして地球を考えたい~」と題するオークヴィレッジの展示会が開かれました。会期中は3,000人以上を超える人が来場されました。また、5月12日に開かれた緊急提言シンポジウム「森と海をつなぐ日本の再出発」は、気仙沼で牡蠣の養殖を行い、NPO法人「海は森の恋人」代表の畠山重篤さん、作家のCWニコルさん、オークヴィレッジの稲本正さんらが、東京農大の宮林茂幸教授のコーディネートにより、森の力を活かした日本の新たな復活への熱い思いと力強い提案を語りました。400人を超える人がつめかけ、大盛況でした。

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※シンポジウムのU-stream http://www.ustream.tv/recorded/14646971


◆ オークヴィレッジからの3つの提案

展示会場で最も大きく、まず目を引くのが、スギの間伐材による住宅です。当初は仮設住宅として、後に普通の住宅として活用できるという設計になっています。何しろ、間伐材や杉材は全国に沢山あります。東北のスギや間伐材を使って復興住宅を作ろうという提案です。TVなどで見る仮設住宅はプレハブのものが多く、これから夏場はずいぶんと暑そうに感じます。また、逆に冬場は床が寒そうです。これが木材であれば、夏涼しく、冬暖かい、そして釘を使っていませんし、後に普通の住宅として活用可能だというから建材を無駄にすることもありません。しかも、間伐材の有効利用で、森の再生にも役立ちます。

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会場には同じくスギの間伐材の家具や、位牌を入れる小さな厨子(ずし)もありましたご位牌を身近に置いておきたいという被災者の方の要望に応えて作られたものだそうです。

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厨子

そして、2つめの提案は被災地の子供たちに積木を贈ろうというもの。認定NPO法人「日本グッド・トイ委員会」と提携し、様々な材種でつくられた積木を一つ100円の寄付で現地の避難所や幼稚園・保育園にプレゼントします。

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積木

3つめの提案は、同社の日本産アロマ「yuica(ゆいか)」を使って、避難所の方たちのマッサージをするというものです。yuicaを使っているサロンの方たちが出向き、ボランティア活動されているそうです。yuicaについては後半で詳しくご紹介いたしましょう。

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また、会場には広葉樹の苗も並んでいました。これは6月5日に気仙沼の近くの森で開かれるNPO法人「海は森の恋人」主催の植樹祭で植えられるものだそうです。私も今年の植樹祭には参加しようと考えています。

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100年かかって育った木は、100年使えるモノに

さて、「オークヴィレッジ」の稲本正さんが東京を離れ、飛騨高山に家具工房を開設したのは1974年のことでした。周辺8haの荒地を得て広葉樹の育林を含め、工芸村を立ち上げることから始めました。「100年かかって育った木は、100年使えるモノに」を理念に、家具製造、建築や、どんぐりを植える活動などに取り組んでこられました。私も何度か高山の工房をお訪ねしましたが、豊かな森の中にギャラリーや工房、宿泊施設などが点在するとても気持ちの良い場所です。

※オークヴィレッジ http://www.oakv.co.jp/

そして、2009年から新たに取り組んでいるプロジェクトが、日本産アロマ「yuica」(ゆいか)です。アロマと聞くと、ラベンダーやミントなどをイメージしますが、日本の樹木からもエッセンシャルオイルを抽出することができるのです。「スギ」「ヒノキ」の香りを始め、珍しいところでは楊枝に使われる「クロモジ」があります。その香りはシャネルの香水に使われているローズウッドにも似ている大変優美な良い香りです。ちなみにクロモジは焼酎に入れるととても良い香りがつくと、東京農大の宮林先生が授業でおっしゃっていました。今度試してみようと思います(笑)。

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クロモジ


◆ 日本の森から生まれたアロマで森も地域も元気に

「日本産アロマyuicaは"枝ビジネス"なんですよ。地域のお年寄の収入にもなっているんです。」と稲本さん。
「yuica」では、エッセンシャルオイルを抽出する木の枝や葉を地域の人たちが山から持ってきて、それによって収入を得るコミュニティビジネスでもあるのです。

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葉っぱビジネスとして徳島県上勝町の「いろどり」が有名ですね。つまもの用の葉を地域のお年寄りが山から採取して販売するというもので、年収数百万円の方も少なくないとか。しかし、上勝町から出荷される葉っぱは、つまもの市場の約8割を占めているというのです。これでは市場を拡大することや他の産地で同じようなビジネスを展開することはできない、と常々思っていました。その点、エッセンシャルオイルの抽出には大量の枝や葉が必要ですから、各地の沢山の方に参加していただけるのではないでしょうか。

日本の国土の67%は森林。森は水や土が育まれるところ。豊かな森は、豊かな川、田畑、そして漁場へとつながっています。私たち日本人は、森によって生かされ、癒されてきました。そして、「yuica」という森の恵みを私たちが使うことで心身が癒され、森の手入れにもつながり、地域の人々や森の健康が回復されるのですね。

※ yuica http://www.yuica.com/

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オークヴィレッジの森、せせらぎ

都市と農山村をつなぐ 空と土プロジェクト
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プロフィール

大和田順子さん

LOHASビジネスプロデューサー/
LBA(ロハスビジネスアライアンス)共同代表/
NPO環境立国 理事

東急百貨店、東急総合研究所、ザ・ボディショップ、イースクエア等を経て2006年4月に独立。
低炭素で持続可能な社会の実現に向け、人・地域・地球の健康を指向する新しい価値観LOHAS(ロハス)の考えに基づき、講演・研修や執筆、コンサルティング、NPO活動を通じて、ライフスタイル・ビジネス・社会の変革に情熱を注いでいます。

LOHAS & Sustainable Style

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