2009年11月24日
「コウノトリ育む農法」で作られた米、大豆で農商工連携。地域の魅力を育む
「豊岡エキシビション」というイベントが、11月10日に都内で開かれました。兵庫県豊岡市のPRイベントです。豊岡は兵庫県といっても、日本海側で、京都との県境に位置する人口8.6万人の町です。イベントには中貝市長以下、市役所や兵庫県の職員、農家、漁業、温泉などの関係者が参加し、その取組みを熱心にアピールされました。コウノトリ育む農法で作られたお酒などをはじめ、城崎温泉や、地元の産業を、東京のメディア・旅行業・小売業関係者に改めて紹介し、関東圏からも人を呼び込みたいというのです。
豊岡市は、飛行機では羽田→伊丹→コウノトリ但馬空港というルートで約2.5時間。列車では新幹線で京都、京都から特急で豊岡と約5時間で行くことができます。
中貝市長のスピーチで、まず印象的だったのは、「人口減少時代に地域が生き残るに必要なのは
1. 魅力的なまちをつくる
2. 基盤をつくる
3. 情報発信」
だということでした。
豊岡市の魅力をアピールする中貝市長
その魅力的なまちづくりとして同市では、コウノトリの復活を何十年もかけて成し遂げたわけです。
※コウノトリ復活のストーリーは8月のレポートをご覧下さい。
http://soratsuchi.com/owada/2009/08/post-6.html
昭和30年代のコウノトリのいる風景
コウノトリを見るために全国から(特に関西圏から)年間40万人を超える人がやってきます。まずは、この交流人口の増加という効果をもたらしました。
そして、コウノトリ育む農法で作られたお米や、それを原料にしたお酒、加工食品を作りました。地元の酒造が中心ですが、中には金沢の福光屋なども「コウノトリの贈り物」というお酒を造っています。国内で唯一、豊岡市出石町でとれる酒米「フクノハナ」を原料としています。お酒のラベルも赤い円に、コウノトリをあしらったデザインで、お祝い事にはぴったりな感じです。
http://www.fukumitsuya.co.jp/topics/kounotori/

「コウノトリの贈り物」(福光屋)
お米だけでなく大豆も色々加工ができます。大阪に本社のある外食チェーンの「がんこ寿司」では、今年から「がんこ寿司の大豆畑」を契約し、黒大豆で豆腐を作り、売店「コウノトリ本舗」での販売や、「がんこ寿司」のメニューとして販売しています。共感の輪が広がっているのですね。
また、豊岡市で宿泊するなら城崎温泉がお勧めだそうです。木造三階建ての建物が並ぶ温泉街ですが、大正14年の大震災で町が全焼したそうです。その後まちとして再建計画を練り、温泉街全体を一つの旅館と見立て、駅は玄関、道路は廊下、外湯(7つ)が大浴場、お土産店が売店、スナックも町中にというように、お客様が巡りやすいまちづくりを行いました。そぞろ歩きしたくなる温泉街として町は賑わい、ヨーロッパの人たちにも人気だと言います。城崎温泉の宿でも、コウノトリのお米やお酒が飲める宿が増えているそうです。地域の農産物が食材として使用される宿、農家民宿だけでなく、こうした一般の宿でも増えてきたのは何よりでは無いでしょうか。

城崎温泉街(写真提供:豊岡市)
このように、豊岡市は、失われた大切なものを取り戻し、そして取り戻した大切なものを守り、育て、引き継ぐ地域づくりを進めているのです。今では子供達も、自分が住む町にコウノトリがいることを誇りにしています。給食にも使って欲しいと市長に直談判するほどです。
「空土プロジェクト」もそうですが、地方の農山村発、地域の農産物や特産品、地域にしかない自然・・・
都市より農山村が断然面白くなってきた、と思うのは私だけでしょうか!?

