牛の糞や生ゴミなどを活用したバイオマス発電(小岩井農場レポート②)

さて、小岩井農場では、敷地内に牛の糞など家畜排泄物や、地域の学校給食から出るゴミなど食物残渣を原料にしたバイオマス発電施設「バイオマスパワーしずくいし」を作り、2006年4月から稼働させています。一日約250キロワットの電力を生み出すことが可能です。また、ここでは堆肥も作っています。

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農場には牛が約2,100頭、鶏約6万羽もいますので、これらの家畜系糞尿の量は一日約59トンにもなるそうです。また、雫石町内の給食や食品会社からの食品系残渣が一日26トン。これらがバイオマスパワーしずくいしに運びこまれます。まずそれを液状化し、メタン発酵設備に投入します。80℃程度で暖められ発酵により発生したメタンガスは、白い丸い球状のガスホルダーに貯められます。メタンガスは、ガスエンジン発電機に投入され発電が行われます。発電量は約4,000kWh/日です。電力以外にも液体肥料(約35トン/日)や堆肥(約15トン/日)ができます。このうち、電力の半数2,000lWh/日と、液体肥料、堆肥は小岩井農場が購入して活用しています。つまり、循環のしくみができあがっているわけです。


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堆肥のヤード

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メタンガスが貯蔵されるタンク

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この送電線で電気が農場に送られる

約半分の電力2,000kWh/日はバイオマスパワーしずくいしの施設内で使用される他、「日本自然エネルギー」が「グリーン電力証書」化し、企業や自治体等にグリーン電力証書として発行しています。ちなみにグリーン電力証書はその自然エネルギー源を指名買いもできるそうですよ。小岩井農場関連のバイオマス電力でお願いしますと。

ちなみに、バイオマス(生物資源)とは、再生可能な、生物由来の有機性資源です。それから作られたバイオマスは有機物であるため、燃焼させると二酸化炭素が排出されますが、これに含まれる炭素は、そのバイオマスが成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素に由来することから、バイオマスを使用しても全体として見れば大気中の二酸化炭素量を増加させていないと考えてよいとされています。カーボンニュートラルなエネルギーと言われるゆえんです。

このプラントを見て、今年1月に訪問した小川町の霜里農場のバイオマス・ガス設備を思い出しました。こちらは一軒の農家ですが、3haの敷地内に牛3頭、鶏数十羽を飼い、有機野菜を作っていて、自宅のエネルギーはバイオガスと、太陽光、薪ボイラーなどで7割程度自給しているとお話をうかがいました。液肥ももちろん活用しているそうで、敷地内で作る堆肥などと合わせ、石油に依存しない(外部から肥料や農薬も購入しないで済む)のでコスト的にも楽だとおっしゃっていたことが印象的でした。 

一軒の農家で、あるいは小岩井農場のような地域単位でのバイオマス発電や循環型酪農業が各地にできると、分散型エネルギー源としての可能性が大いにあるのでは・・・と思いました。

※小岩井農場 バイオマスパワーしずくいし
http://www.koiwai.co.jp/guide/rakuno_2.html

※霜里農場 http://www.shimosato-farm.com/

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プロフィール

大和田順子さん

LOHASビジネスプロデューサー/
LBA(ロハスビジネスアライアンス)共同代表/
NPO環境立国 理事

東急百貨店、東急総合研究所、ザ・ボディショップ、イースクエア等を経て2006年4月に独立。
低炭素で持続可能な社会の実現に向け、人・地域・地球の健康を指向する新しい価値観LOHAS(ロハス)の考えに基づき、講演・研修や執筆、コンサルティング、NPO活動を通じて、ライフスタイル・ビジネス・社会の変革に情熱を注いでいます。

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