2009年03月31日
"循環・持続型"農林畜産業の草分け「小岩井農場」
◆118年前に始まった原野の開拓
3月3日・4日と、岩手県の「小岩井農場」に行ってきました。雪積もる、冬の牧場、明治時代に建てられた建物の軒にはつららが垂れていましたが、牛舎の2,100頭の牛はゆったり草を食んでいました。中学の修学旅行で行ったおぼろげな記憶があることと、あとは発酵バターや、乳製品を時々購入するといったイメージの小岩井農場でしたが、今回初めて三菱グループの会社だったということを知りました。今回の見学は、三菱地所のCSR推進部の皆さんのお誘いで、「空土プロジェクト」のパートナーであるNPO法人えがおつなげての皆さんとご一緒させていただきました。
小岩井農場は、岩手山の南麓、盛岡市の西北12kmに位置する総面積約3,000haの広大な農場です。3分の2が山林、700haが耕作地、中央の40haが「まきば園」として一般に開放されています。
※小岩井農場 http://www.koiwai.co.jp/
歴史 http://www.koiwai.co.jp/about/rekishi.html
今から118年前の1891年(明治24年)、不毛の原野の開拓は始まりました。痩せた湿地帯でした。荒れ地に、スギ、アカマツ、カラマツを植え、土壌改良に着手し、基盤整備に40年が費やされたそうです。こうした樹木は樹齢90年、100年を迎えていることになりますね。
1899年から畜産を始め、以来、全国の種畜場・牧場に種畜を供給するようになりました。そして、1938年に小岩井農牧株式会社が設立されました。豊かな生態系を創造する事業が一世紀を超えて営々と続けてこられたのです。
三菱地所といえば、東京の丸の内界隈の開発を真っ先にイメージしますが、その開発も1890年から始まったそうですから、時を同じくして都市と農山村の開発に着手したというわけです。
小岩井農場は農林畜産業を行っていますが、林業については戦後は農場経営の柱でしたが、外材の輸入の急増などに伴い、現在では環境保全・景観保全など山林の多角的機能を維持するという方針の元、維持・管理がなされています。こうして、100年の歳月をかけて、不毛な大地は緑豊かな大地へと変わっていったのですね。
◆農商工連携のフロンティア
私たちにお馴染みのバターは1902年(明治35年)、発酵バターを開発し、明治屋で発売されたことから始まります。1976年には小岩井乳業株式会社がキリンビールとの合弁で作られ、飲料乳・バター・チーズなど本格的に製造販売事業が行われるようになりました。
「小岩井農場まきば園」が開業されたのは1991年のことです。年間約75万人の人が訪れるそうです。93年には天文館、95年には岩手県森林組合との共同による(株)モクアートが設立され「どんぐりコロコロ」という工房付きショップもオープンしました。2002年には東京丸の内・丸ビルに「小岩井フレミナール」というレストランも開業しました。昨年法律が施行され、話題の"農商工連携"ですが、すでに30年以上前からそれに取り組んできたフロンティアなんですね。
農商工連携とは、「地域の基幹産業である農林水産業、商業、工業等の産業間での連携(「農商工連携」)を強化し、その相乗効果を地域の活性化につなげる」もので、地域の農林水産物など一次資源を地元で加工し、販売や旅行と結びつけて地域の人や経済を元気にしようと、全国各地で取組みが加速しています。
※経済産業省 農商工連携
http://www.meti.go.jp/policy/local_economy/nipponsaikoh/nipponsaikohnoushoukou.htm
次回は、小岩井農場の林業、酪農、自然などについて、さらに感動したことをお伝えさせていただきます。
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