2009年08月01日
ミズミの秘密
農場長です。
今日は田んぼの水見(ミズミ)についてお話します。
ちょっと難しいですよ。
田には水が張ってありますが、この水は始終循環しています。
田と言えど、コンクリートでできたプールではありませんので、土手や底から浸透して、少しずつ水が抜けていきます。
田によってこの水の抜けていくスピードは違いますが、水の抜けるのが遅い田を一般に「水持ちがいい」(いい意味で)、「水はけが悪い」(悪い意味)などと言い、
逆に水がどんどん抜けて行ってしまう田を「水持ちが悪い」と言います。
水持ちのいい田も悪い田も、少しずつ水が抜けていくわけですから、放っておくとカラカラに干上がってしまいます。
それで、水路から田へ水を入れたりして水位調整をする、言い換えれば"水を見に行く"ことが必要になるのです。
水を見ることにはコツがあります。
以下、ポイントを挙げてみます。
①水温調節
②水位調節
③稲の生育のコントロール
これらのポイントを一度に理解するのは少し大変なので、
今日は①の水温調節について説明をしましょう。
人間にとって快適温度があるように、稲にとっても一番気持ちの良い水温があります。
温度については一概には言えませんが、空土の田んぼがある増冨地域のように標高が高く、水温も低いようなところでは、一般に「止め水」を行います。
止め水とは、田に張った水を循環させずに一時的に止めて、昼間の日光によって田の水温を上げることです。
一日水を止めて日光に当てるだけで、田の水はかなり温まります。
しかし、先にもお話しした通り、田の水は少しずつ抜けていきますから、水路から水を入れてやることも必要です。
水路から田に水を入れるのは夜行います。
なぜって、昼間に水を入れてしまうと、日光で温まったそばから、水路の冷たい水がどんどん入っていくので、なかなか水温が上がらないからです。(水路の水はとっても冷たいんです(冷))
夜間はどうせ田の水温は下がってしまうので、夜に水を入れます。
それで毎日夕方19:00に水を見に行き、水路から田に必要な分だけ水が入るように調節します。
朝は5:00に水を見に行き、水路からの水を断ち、止め水をして水温を上げます。
逆に、平野部など暑い地域では止め水をせずに「かけ流し」をします。
読んでの通り水路から田へ水を始終かけて(入れて)、水温を上げないようにします。
ちなみに、このかけ流しでのやり方は空土の田のある増冨地域ではあまり通用しません。
水温が高すぎても低すぎても、稲の生育の妨げとなります。
地域によって方法は違えど、こうして水温の調節をしているのです。
ちなみに、空土の田は開墾直後のため、水持ちが悪く、毎日の水見に苦戦しています。
かなりテクニカルで難しい内容でしたが、お百姓さんは自然にこういったことを考えています。
これぞ知恵ですね。
さて、最後に空土の田の稲の生育状況をご覧ください。
背丈40cmくらいです
順調に育っています。
もうひとつおまけに。
生後1か月です
空土の田でうろうろしていたキジの赤ちゃんです。
近くでお母さんキジが見ていましたが、少しだけ写真を撮らせてもらいました。
こんな生き物と出会えるのも、毎日2回水を見に行く楽しみです。
レポート:農場長
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